デュアルSIMって何?!DSSS / DSDS / DSDV / DSDA 4つの方式について調べてみた
記事内に宣伝やプロモーションが入っています
通信障害等のニュースをみると、通信会社の契約は1社だけだと不安だなと思ってしまいます。
ここのところ「デュアルSIM」や「デュアルSIM対応スマホ」という言葉を目にしたり耳にしたりすることが増えてきました。
SIMは通話や通信に必要な小さいICチップのことで、物理SIMとスマホ本体に埋め込まれたeSIMがあります。通信会社で1契約しますと1枚のSIMが発行されスマホに入っています(もしくは自分で入れます)。
ではデュアルSIMはどういうこと?と思い、サブ管理人なりに調べてみたことを書いてみます。
Contents
デュアルSIMとは
デュアルSIMのデュアルは「2」の意味で、2枚のSIMということになります。2枚のSIMを入れて利用することができる端末がデュアルSIM対応スマホと言われています。
まず、1台のスマホに物理SIM、eSIMいずれか1枚のSIMを入れて利用するイメージが下の図になります。
次に、1台のスマホに物理SIMを2枚、物理SIMとeSIM、2つのeSIMなど2枚のSIMを入れて利用するイメージがこちらです。
2枚のSIMを入れて利用できるスマホであれば、例えば、ドコモ回線 x au回線や、au回線 x ソフトバンク回線など、2つ別々の通信会社で契約したSIMを1台で利用することができます。
デュアルSIMで2回線を1台のスマホで使う方式
デュアルSIMで2回線を1台のスマホで利用できると知ると、ふと疑問が湧きます。
2枚のSIMが入ってたら、同時に電話かかってきたらどうなるの?同時に使えるの?
公式ページなどでスマホ本体の仕様・スペック情報を見てみますと、デュアルSIM対応の機種の場合は「 SIMカード・デュアルSIM対応」等の記載があり「DSDS」や「DSDV」など4つの英字が記載されている場合もあります。
例えば、iPhoneの場合。
iPhone11と12には「デュアルSIM(nano-SIMとeSIM)」とあり、iPhone 13とiPhone SE 第3世代には「デュアルSIM(nano-SIMとeSIM)デュアルeSIMに対応」と記載があります。またサポートページには「 DSDS (Dual SIM Dual Standby) テクノロジーを採用しているので、両方の SIM で電話の受発信ができます」と記載があります。
次に、AQUOSとXperiaの場合。
SHARPのAQUOS Sense6 SH-M19には 「nanoSIM / eSIM DSDV対応」と記載があり、SONYのXperia 10 IVには「※本製品はnano SIMとeSIMがご利用いただけるデュアルSIM仕様です。DSDS/DSDV対応です」と記載があります。
デュアルSIM対応スマホが2種類のSIMを使い分けるのにどうするのか、それには4つの方式がありその方式の名前が「DSSS」「DSDS」「DSDV」「DSDA」です。
デュアルSIMの4つの方式について
デュアルSIMには次の4つの方式 DSSS / DSDS / DSDV / DSDAがあります。
それぞれ内容を記載しますので違いを確認してみましょう。
DSSS(Dual SIM Single Standby)
DSSSとは、Dual SIM Single Standby (デュアルシムシングルスタンバイ)の略称です。
2枚のSIMを入れることができますが、同時に通話を待ち受けや、データ通信をすることができません。手動でどちらを利用可能状態にするか選んで使います。SIMカードを入れ替える手間がなく済むことがメリットになります。
DSDS(Dual SIM Dual Standby)
DSDSとは、Dual SIM Dual Standby (デュアルシムデュアルスタンバイ)の略称です。
2枚のSIMを入れることができ、SIMの切り替えはしなくても、2枚同時はできませんが、どちらかに着信があると受けることができます。また、片方のSIMでデータ通信中にもう片方のSIMで電話を受けることもできます。片方のSIMで着信はできても、通話しながら、もう片方のSIMでデータ通信はできません。また、片方4G、もう片方は3Gとなります。
DSDV(Dual SIM Dual VoLTE)
DSDVとは、Dual SIM Dual VoLTE (デュアルシムデュアルヴォルテ)の略称です。
2枚のSIMを入れることができ、使用感はDSDSと同じですが、デュアルVoLTEなのでどちらもLTE/4Gで利用できます!進化してきた感じですね。
DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)
DSDAとは、Dual SIM Dual Active (デュアルシムデュアルアクティブ)の略称です。
2枚のSIMを入れることができ、さらにDSSSやDSDVより進化しています。2枚のSIM同時通話はできませんが、片方のSIMで通話しながら、もう片方のSIMでデータ通信ができます。電話しながらネット回線できます。しかも、どちらも4G使用可能です。
デュアルSIMの活用方法
デュアルSIMの活用方法はさまざま考えられます。
・会社用とプライベート用で分けて利用したい
・万が一の通信障害の際に保険として利用したい
・電話回線用とデータ回線用で分けて利用したい
・データが足りなくなる部分をカバーしたい
活用方法により格安SIM会社から選ぶことも選択肢のひとつです。通信障害になってしまった場合を考える際には、メインとは別の通信回線を選びたいところです。
デュアルSIM対応スマホが必要
2回線を1台のスマホで利用するためにはデュアルSIM対応スマホが必要で、SIMロックされている場合はSIMロック解除を行います。お手元のスマホがデュアルSIMに対応しているかどうかは各メーカーの公式サイトで確認します。
iPhoneの場合は、物理SIM+eSIMの組み合わせとなり、2枚の物理SIMが利用できるモデルは日本国内版では販売されていません。
Androidの場合は、物理SIM+eSIM・物理SIM2枚・eSIM+eSIMのように機種によって利用できる組み合わせが異なります(物理SIM2枚の場合microSDカードが使えなくなることもありますので、メーカー公式サイトで確認が必要です)。
デュアルSIMの設定方法(Androidの場合)
スマホに2枚のSIMを入れて、デュアルSIMで使えるように設定をします。ここからは例としてXiaomi Redmi Note 11を使用して物理SIMを2枚(nanoSIM x 2枚)入れて設定してみます。
・使用機種:Xiaomi Redmi Note 11
・nanoSIM x 2枚の組み合わせ
・①主回線(メイン回線)としてahamo
・②副回線(サブ回線)としてY!mobile
2枚のSIMで優先利用を決める
SIMを2枚入れて通信できるように設定が完了した後は、通話とデータ通信でどちらのSIMを優先的に利用するかの設定をします。
デュアルSIMで通話確認
ahamo(docomo)の番号とY!mobileの番号にそれぞれ電話をかけてみましたところ、無事受信できました。
通話にahamo(docomo)を優先する設定をしているので、そのまま発信する場合は優先回線ahamo(docomo)から発信できるようになっています。
デュアルSIMでデータ通信確認
先ほどデータにY!mobileを優先する設定をしました。Wi-Fiを切ってアンテナを確認してみますと、Y!mobileでデータ通信可能な状態になっています。
試しにデータにahamo(docomo)を優先する設定をして同じように確認してみますと、ahamo(docomo)でデータ通信可能な状態になっています。
デュアルSIMの設定方法(iPhoneの場合)
iPhoneの場合nanoSIM x 2枚で利用できるモデルは日本国内版では販売されていませんので、デュアルSIM対応のiPhoneはnanoSIM + eSIMの組み合わせで利用することになります。
・使用機種:iPhone SE 第3世代
・nanoSIMとeSIMの組み合わせ
・nanoSIMは主回線(メイン回線)としてIIJmio
・eSIMは副回線(サブ回線)としてpovo2.0
APN設定
iPhoneの場合iOS15以降ではSIMカードを入れるとAPN設定が自動入力できます。
また、APN設定(初期設定)方法は、契約した通信会社の公式サイトで確認することができます。
MVNOの場合は、公式ページやアプリからAPN設定に必要な構成プロファイルをスマホにダウンロード・インストールが必要な場合があります。
ダウンロードした構成プロファイルはiPhoneの場合「設定」>「一般」>「VPNとデバイス構成」>「構成プロファイル」からインストール・設定できます。
主回線(メイン回線)としてIIJmioを利用していますので、構成プロファイルをインストール後は下記のように設定がされています。
副回線(サブ回線)はpovo2.0のeSIMを利用しています。eSIMの場合は契約後にアクティベーションコードがメール等で送られてきますので、iPhoneの「モバイル通信プランを追加」の画面から進み、アクティベーションコードを入力をします。
設定アプリの「モバイル通信」>「モバイル通信プランを追加」>「詳細情報を手動で入力」をタップします。
「アクティベーションコードを入力」画面でpovo2.0のアクティベーションコードを入力し「モバイル通信プランを追加」>「モバイル通信プランの名称」>「新規KDDIプランの名称」(povo2.0=KDDI)を確認すると「続ける」をタップします。
「デフォルト回線」「iMessageとFaceTime」を主回線を使用するのか、副回線を使用するのか選ぶことができますので、メインで使う方を選びます。
メインで主回線のIIJmioを使いますので、主回線にチェックし「完了」をタップします。
以上でiPhone SE 第3世代でIIJmioとpovo2.0のSIMを入れてAPN設定の確認ができました。
SIMの優先利用を決める
iPhone本体で通話とデータ通信でどちらのSIMを優先的に利用するか設定をします。
通話もデータもメインに主回線のIIJmioを利用、たまにデータ通信としてpovo2.0を利用する設定をします。
設定アプリの「モバイル通信」>「モバイルデータ通信」でメインでデータ通信を利用する回線を選びます。
メインにデータ通信利用する回線にチェックを立てます(画面の場合は主回線のIIJmio)。
「デフォルトの音声回線」で音声に利用する回線を選びます(画面の場合は主回線のIIJmio)。
デュアルSIMで通話確認
主回線IIJmio(docomo)の番号と副回線povoの番号にそれぞれ電話をかけてみましたところ、無事受信できました。
主回線IIJmio(docomo)の番号・副回線povoの番号でそれぞれ受信中に、画面に主回線の「主」・副回線の「副」と表示され、左上のアンテナ部分はdocomo(IIJmio)・povoと表示されています。
「デフォルトの音声回線」に主回線のIIJmio(docomo)を優先する設定をしているので、そのまま発信する場合は主回線のdocomo(IIJmio)から発信されました。
IIJmioでは完全かけ放題オプションを利用しているので電話をかける際には「みおダイヤル」アプリを利用しています。上記ではテストでデフォルトの通話アプリから発信しています。
デュアルSIMの副回線(サブ回線)におすすめのSIMは
副回線(サブ回線)としてはできるだけ安く利用したいという場合が多いと思います。
サブ管理人はサブ回線としてpovo2.0を利用しています。月額は0円でたまに使う時に希望のギガ容量に応じて都度課金して利用することができるので、いざという時に便利かと考えているからです。
副回線としておすすめの格安SIM5選を紹介します。
povo2.0(au回線)
povo2.0は、基本料月額0円で回線を持つことができます。使いたい容量分だけ課金して利用することができることは他ではないサービスです。
例えば月に1日だけデータ使い放題330円(税込)を使うと、家族間でテザリングもできますので、旅行の際などには便利かと思います。
180日間無課金状態になりますと、自動解約されてしまうことがありますので注意が必要です。
楽天モバイル(楽天回線)
楽天モバイルは、楽天回線エリアなら3GBまでは1,078円(税込)〜データ無制限で3,280円(税込)で利用できます。
楽天回線エリア内で通信も安定している場合、どれだけ使っても3,280円(税込)は大きなポイントになります(楽天回線エリアは公式ホームページで確認ができます)。
IIJmio(ドコモ回線かau回線)
IIJmioは、音声付きSIM・SMS機能付きデータSIM・データSIMからそれぞれ希望の容量に応じて料金プランがあります。
日本でいち早くeSIM提供したのがIIJmioです。eSIMの老舗とも言えるかもしれません。
ドコモ回線のみですがデータ専用eSIMプランがあり、2ギガ440円(税込)〜20ギガで1,650円(税込)のプランが選べます。
OCNモバイルONE(ドコモ回線)
OCNモバイルONEは、音声SIMだけでなくSMS対応のSIM、データ専用SIMの取り扱いもあります。
データ専用SIMの場合は3GBで月額858円(税込)ですが音声対応SIMの場合は3GBで990円(税込)となっています。
選択肢がある分希望に近いものを選ぶことができます。
mineo(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線)
mineoは、データ容量で選ぶマイピタと通信速度で選ぶマイそくがあります。
マイピタは音声+データのデュアルタイプとデータ通信のみのシングルタイプがあり、それぞれ容量も4コースから選べて、回線を3種類から選ぶことができます。月額使用料は最安値で1GBのシングルタイプで880円(税込)〜20GBのデュアルタイプで2,178円(税込)の中で希望組み合わせで料金が決まります。
マイそくは最大1.5Mbpsの通信速度制限はあるものの音声SIMでデータ無制限になるプランが月額990円(税込)から利用できます。高速通信必要になった場合は速度制限なく24時間データ使い放題が1回330円(税込)で追加できるオプションもあります。
まとめ
以上、副回線におすすめの格安SIM5選でした。
おすすめした以外にも、ahamo、LINEMO、UQmobile、Y!mobile、BIGLOBEモバイル、イオンモバイル、NUROモバイル、LIBMO、HISモバイル、日本通信など、多数の格安SIM会社があります。
通信障害などでデュアルSIMに興味をもたれた場合は、メイン回線とは別の通信回線をサブ回線として選ぶのも一つの方法です。
ハローモバイルワールドでは、独自に厳選した18社から料金比較できるページがあります。ギガ数(容量)ごとに安い順に並べることもできますので、サブ回線として選ぶ際の参考に見ていただければ幸いです。
この記事をSNSでシェア